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あいつID変えられる??からなぁ…いいなぁ -- (あ) 2010-02-07 12 28 15
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ホルモンって本当にやめるのかな -- (プ玉) 2010-02-07 12 26 30
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ホルモンが大嫌い(噂では小学生らしいが?) -- (名無し) 2010-02-07 12 19 28
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見てみたら実力もそこそこからホールで連勝するなど実力はあるになっていた -- (絶対零度) 2010-02-27 15 07 08
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やはり大学のキャンパス内で高等部の制服を着た女がうろついていると、相当目を引いてしまうらしい。 「参ったよ。ゼミがこんなに面倒だなんて知らなかった」 正に針の筵状態の一戸遥は、一人大学生活の過酷さについて熱く語る大学二年生、玖龍啓助(くりゅうけいすけ)の愚痴を止めるべく、コーヒーの入った紙コップから口を離した。 「先輩、まさか苦労話をするために私をこんな場所まで呼び出したわけじゃないでしょうね?」 こんな場所というのは、大学内の食堂を指している。壮麗と言っては大げさだが、明らかに高等部の物よりグレードが上だ。 高校生にとっては異世界に等しく、またここの利用者たちにとっても一戸は異物と呼ぶべき存在だろう。 既に夕方に近い時間なのに、中々の繁盛ぶりだ。自分も毎日好きな時間に食事を取ることのできる身分になってみたいものだと、しみじみ思う。 「いや。一応本題もあります」 元高等部生徒会所属だった、黒髪黒目の比較的中性的な容姿の大学生はたじろぐ。思いの外険悪な顔をしていたらしい。 「その本題とやらに入る前に、場所を変えませんか。周りの視線が痛いんですけど」 「これだけ食ったらすぐに出るから、もう少し待って下さい。っていうか君が男の視線を集めるのはいつものことじゃないか。俺が高等部だった時代からそうだった」 下手に出ているようで横暴な返答だ。テーブルの上に乗っているパスタはまだ半分以上残っている。諦めてここで聞くしかないらしい。 「俺は教育学部に籍を置いているんだけど、一戸はそれを知ってたっけ?」 「ええまあ」 高等部で一年同じ組織に所属していただけなのに、この男性とは割りと短い間隔で連絡を取り合っている気がする。お互い異性としては全く意識していないと 確信しているが、どうも玖龍に懐かれてしまったらしい。 「で、さっそく出されたゼミの課題で、子供向けに何か作品を作らないといけないんだが――」 「どのような物を提出しなければいけないんですか」 「何でもいいらしい」 「またアバウトな」 「早々に突っ込まないでくれよ。それに放任主義と鬼採点のコンボで、学生にとっても恐れられてる授業なんだぞ。ランクで例えるならAプラス。 おまけに評定の三分の一を占める重要レポートだ。落とせば単位取得は絶望的」 「そんなゼミに入らなきゃいいのに。口ぶりからして、対して興味のある講義でもないんでしょう」 「情報を共有する相手が少なくて。何となく人の少なそうなのを選んだらこんな目に」 要するに彼は、友人が少ないのだろう。だから自分が何度も相談相手に抜擢される。まだ微かに湯気の立っているコーヒーを啜りながら、一戸は苦言を呈した。 「いい加減、人見知りを直した方がいいですよ」 「言われてすぐに修正できる苦労しないって……」 もうその話は終わり、と打ち切った彼は、ようやく本題とやらに入る。 「で、ゼミの課題をクリアするいい案は何かないかい?」 ぴし、とこめかみの辺りで音が鳴った。 「……はい?」 語尾を上げつつ訊き返す。精一杯の笑顔を浮かべたつもりなのに、玖龍の顔から血色が消えているのが謎だ。 「その、君の手腕はこっちにも轟いてるよ。過去最高と言われる程の存在感を放っている今年の高等部生徒会を支えているのは、副会長の君だと」 「で?」 「そんな一戸の考案した作品なら、きっと落第はしないだろうなーと……」 「二十歳も目前の男が、未だ高校生の後輩女子に、教えを請うと」 「そういうことです……」 テーブルの下で組んでいた足を入れ替え、一戸は冷たく、そして静かに言い放った。 「恥ずかしくないんですか?」 「いやまあ恥ずかしいよ。でも過去の提出物を見る限り、上手くやれる気がしないんだよ。初等部の教室に訪問して一コマ授業するとか、島内の年少者の自由時間をリサーチして、 そこから予想される子供たちの身体精神両面における成長傾向の予想とかもう自分で何言ってるのか判らないレベルの物じゃないと可が貰えないらしいんだ」 しどろもどろになりかけながらも玖龍は言い募る。 「とりあえず個人でどうこうなる代物じゃないらしいんだ。ゼミの連中もどんどんグループ作ってるか、全く姿を見せなくなるかのどっちかだし……」 後者は単位を諦めた者だろう。 「もう捨ててしまえばいいんじゃないんですか、そんな授業」 「それもなあ……今のところ一応優等生コースに乗ってるし」 「……馬鹿馬鹿しい」 半分以上残ったコーヒーを机の上に置いたまま、一戸は席を立とうとする。 「帰らせてもらっていいでしょうか。これでもそれなりに忙しい身なので」 「待ってくれ!」 深刻な声で、玖龍がこちらに手を突き出した。 「そっちにとっても悪い話じゃないんだぞ! 一回限りとはいえ、大学レベルの授業に参加したという実績は、また君たちの株を上げるはずだ!」 恐らく彼は単なるその場しのぎのつもりで口にしたのだろう。しかし発言そのものに歪曲や誇張はない。最難関クラスの授業で結果を出せば、 教師陣の印象も良くなるに違いない。いつ奇行に走るとも知れないリーダーを抱えているのだ。こまめに模範的活動を積み重ねた方が良いに決まっている。 そこで躊躇し、再び椅子の上に腰を下ろしてしまった時点で、ワーカーホリックの彼女の運命は既に決していた。 意外と用意周到な玖龍から渡されたレポートに関するプリントと、それまでの授業の要点をまとめたノートのコピー、それに教科書指定されている 基本的な教育論の本に目を通し始めたのは、その週の土曜だった。 「うう……」 自室は既に外からの光で明るい。完全に朝である。一戸は机の上に突っ伏した。小鳥の可愛らしい鳴き声が時折聞こえてくる。今日が日曜で良かった。 元々朝は苦手なのだ。このコンディションでまともに授業を受けられる気がしない。 ベッドの上に倒れ込みながら溜息をついた。完全に安請け合いだった。何も思いつかない。まあ困るのは玖龍であって自分ではないのだが。 電気を消すのを忘れていた。難渋しながら起き上がり、スイッチを押す。たまたま目に留まったテレビのリモコンを手に取り、電源を入れてみたりする。今何時だ。 朝の七時半を少し過ぎたところだった。休日にこんな時間に起床するなど何年振りだろうか。無数の全身黒タイツと、五色の鉄仮面軍団が一方的な戦いを繰り広げている。 どうやら流れているのは子供向けの戦隊番組―― リモコンを携帯電話に素早く持ち替え、一戸は玖龍の番号を選択した。時間が時間なので当り前だが、中々出ないのがもどかしい。 「どうしたんだよ、こんな早くに……」 潰れ切った玖龍の声を無視して提案する。 「ヒーローショーなんてどうですか。玖龍さんはブルーで」 瀬織津姫(せおりつひめ)と名付けられた能力を持つ大学生は、その電話を掛けた段階では何一つ理解しなかった。 月曜日。やはり一番大事なのはレッドのキャスティングだろうと、彼女にしては珍しく、深く考えもせずに出演依頼を申し込んでみた。 「すまないけど、辞退させてもらうよ」 やたら机の少ないSランクの教室で授業用のノートを眺めていた愛宕輝彦(あたごてるひこ)は、即決であった。 「どうしても駄目ですか?」 一戸は食い下がる。人格的にも能力的にも、彼以上の人材がいるとは思えなかったのだ。 「その日は大学で、民俗宗教学の講義があるんだ」 「大学で?」 愛宕は自分と同じ高校三年のはずだが。 「そう。せっかく近場に専門的な授業を行っている施設があるんだ。受講そのものに制約や条件があるわけでもない。残り少ない学生期間に、やりたいことはやっておきたいんだ」 「残り少ない?」 島内の大学なら、その気になればほぼフリーパスで上がれるはずだが。しかし先程から私はクエスチョンばかり投げかけているな、と自分で呆れる。 「まだ決まってはないんだけど、卒業したら、島を出て父の神社を継ごうかと思ってるんだ」 「そうなんですか」 まあ彼の成績と素行なら、問題なく島外移住の許可も下りることだろう。 「大学の講義も魅力的ではあるんだけどね。のめり込んだら切りがなさそうで――一戸さん、どうしかした?」 「い、いえ……」 なんとまあ。好きでもない授業の単位がどうこうと喘いでいる呑気な大学生もいるというのに、目の前の同級生は学びたいことと家業を天秤に掛けて悩んでいるらしい。 こういう人こそ大学に行った方が、授業をする方もされる方も幸せだろうに。 さすがにここまで真っ当な理由を挙げられては、無理強いすることもできない。大人しく教室を出ようとしたところで愛宕に呼び止められる。 「ところで、会長には会わなくていいのかい」 そういえば会長――極々原強也には何も報告していない。下っ端の角松でさえ、会場や開催日時等のセッティングに奔走させているというのに。 「うーん。別に会って話すこともないし、話してもどうせ役に立たないだろうし」 「その劇、カンナギレンジャーだっけ。彼なんて実に赤向きだと思うんだけどな」 「一応地水火風を操る能力者で固める方向なんです。視覚的に派手な方が、観客も喜ぶでしょうし」 玖龍の能力を有効利用する為でもある。 「役者の当てはあるのかい?」 「昨日のうちに目星は付けておきました。次は風にしようかと」 「なら安心だ。時間に余裕があれば俺も観に行くから、頑張ってね」 実に紳士的な言葉と共に、Sランクの教室を送りだされた。 (^ω^)「断る。そんな茶番に付き合ってられる程、俺は暇じゃない」 「協力してくれたらヴァイスシュバルツ、魔法少女リリカルなのはA sブースターパック3ボックスを贈呈するわ」 (^ω^)「……いいだろう。たまには道化を演じるのも悪くない」 「ふう……」 出てもいない額の汗を拭いながら、中等部から高等部へと戻ってくる。実にスムーズな交渉だった。レポートにしたら三行でまとめられそうなくらい簡単なやりとりだったろう。 が、今度の相手はそうもいかないらしい。敵意に満ちた言葉を放ったのは、金髪を縦巻きロールにしている、長めのスカートの二年生女子だ。 「私にそんな茶番を演じろと?」 「勿論無理にとは言いません」 何となく敬語を使った方がいいような気がして、彼女の席の前に立っている一戸は丁寧に続ける。 「しかし今回の企画には、あなたの能力がどうしても欲しいのです」 「あら。副会長が私に頭を下げるなんて、素敵な光景ね。でも――」 「おい邪魔だよドリル。椅子引け」 ふんぞり返っていたアリスの椅子が無理矢理動かされた。金髪のすぐ後ろを、髪を外側に跳ねさせた可愛い女子が通り過ぎていく。ドリルとは恐らく、 アリスの髪型を揶揄しているものと思われる。 この女子があんな乱暴な台詞を吐くようには見えないが……と、それまで機嫌良さそうだったアリスが憤怒の表情を浮かべていた。 「小早川……あなたはいつもいつも……」 「こっちだって好きでお前なんぞと同じクラスにいるわけじゃねえよ。さっさと子供向けショーで悪役女幹部やってこい」 自分たちの話が聞こえていたらしい。 「誰が悪役幹部よ! 私はヒロインとしてスカウトされてるの!」 「どうだか。まあ断った方が無難だろうな。大根演技を披露して、赤っ恥掻くのが目に見えている」 小早川と呼ばれた女子は、すたすたと廊下に出て行ってしまった。 「……一戸さんでしたね。この話、お受けしましょう。私の能力をあなた方に貨して差し上げますわ。必ず成功させましょう」 地の底を這うようなアリスの声を聞き、一戸は小さく歓声を上げた。小早川さんに感謝しつつ。 自分の教室に戻ったのと同時に、独り言を洩らす。 「後は炎だけか……」 愛宕には余裕の態度を見せてしまったが、唯一レッドの候補だけが抜けているのだ。どうも炎を操っていると、目つきが悪くなったり素行に問題が出てきたりするらしい。 携帯が震動する。玖龍からのメールだ。たまたま大学に顔を出していた研究機関の女性が協力してくれるらしい。こちらの希望通り、火を操る能力者を 探し出してくれたようだ。ついでに脚本を担当してくれる人間も見つかったらしい。意外と彼も役に立つではないか。 問題は山積しているが、レポート提出までにはまだ充分な時間がある。余裕で間に合うはずだ。 『西暦20XX年、人々の生活は、超能力者犯罪集団Mr.enemyによって脅かしていた。私利私欲の為にのみ力を振るう彼らに対抗するべく結成されたのが、 四つの力を操る最強の精鋭部隊、カンナギレンジャーである!』 高等部の校庭に特設されたステージの上で、爆発が起こる。生徒会二年の九法代美(くのりよみ)が、自爆霊を操作したのだろう。ステージ脇の 巨大なスピーカーから、おどろおどろしいBGMが流れ始める。 「おお、それっぽい」 好天に恵まれ、ベンチに座っている大勢の観客も老若男女多種多様だ。肝心の子供もかなりいる。さすが暇な島だ。 少し街頭でチラシを配っただけで、ここまでの効果を上げるとは。 にしても、どうして突然研究所から多額の予算が与えられたのだろう。所員がレッドに抜擢されたお祝いか? まあそのおかげであんな大がかりなステージを作ってもらえたのだし、もう予算も使ってしまったのだから訝ってもしかたないのだが。 テスト目前で、運動部がほぼ活動を休止していたのもありがたかった。おかげで気兼ねなく校庭を占領できた。 爆発の中から――正確に言うならステージの裏へ続く扉から、特殊メイクと着ぐるみで見事に怪物っぽくなっている役者が現れる。 「ガーハッハッハ! 俺様はMr.enemyの幹部、魔人ガッハーであーる!」 名前通りガハガハ笑いながら客席を見回し、怪人が吠える。 「ここがカンナギか! ほお~う、などと言いながら、怪人が会場を見渡す。 「よし決めたぞ、今日はこの島を俺様の物にしてやろう! 行け、我がしもべたちよ! 手始めにここに集まった連中をギッタギタにしろ!」 『ヒィー!』 威勢の良い悲鳴(?)を上げながら、二十人以上の黒タイツ戦闘員がわらわら出て来てステージを埋め尽くす。どこかで小さな子供の泣き声が上がった。 「やあ。君が一戸遥さんかな」 客席の一番後ろで立ち見をしていた一戸に話しかけてきたのは、一見して研究所に勤めていることが見て取れる、白衣姿の男だった。 四十代くらいだろう。外見に気を使っている様子はない。髪は長く、ぼさぼさである。体格はがっしりしているが、どろんとした目をしており、 眉間にも若干皺も寄っていた。徹夜でもしたのだろうか。 「そうですが、あなたは?」 「ああ失礼。私は今回の演劇で脚本及び敵役の選定をさせてもらった三滝将和(みたきまさかず)と申します」 白衣の中年男性が一礼する。相手の素性を知った一戸もまた、会釈を返した。 「あなたが三滝さんでしたか。多大なお力添えをしていただいたにも関わらず、ご挨拶に行くこともできず申し訳ありませんでした」 「とんでもありません。あなたが裏方として奔走してくれたから、今日を迎えられたそうではないですか」 「今回多額の資金援助を受けられたのも、あなたの働きかけがあったからだと聞いております」 しばらく双方の仕事ぶりを社交辞令的に讃えていると、ステージから女の声が飛んできた。 「そこまでよ!」 再び爆発が起き、Mr.enemyの平戦闘員数名が派手に吹っ飛ぶ。出てきたのは赤――ではなくピンクのタイツに身を包んだ仮面女だ。 「うちの部下ですね。無理を言って赤からピンクに色を変えてもらってましたよ」 三滝が苦笑する。劇の内容そのものに関しては、完全に隣の研究員に任せきりという形になってしまった為、一戸は初耳だった。 「聞いてませんよ……戦隊物のリーダーがピンクでいいんでしょうか」 「男女同権の時代ですから平気でしょう」 三滝が適当なことを言ってる間にも、青、緑、茶色のレンジャーが次々現れる。カンナギの平和は私たちが守る云々、ほざけ虫けら云々といった応酬が舞台上で続き、 やがて能力バトルが始まる。 「そういえば三滝さん。敵戦闘員は誰がやってるんですか? かなりの人数がいますけど」 「あれは確か、大学の演劇サークルの人たちですね」 「どうりで動きがいいと思った」 何しろ赤レンジャーが出す人型の炎を躊躇なく喰らっているのだ。中に入っている人はそのままスタントマンをやれそうだ。 茶色がステージに手の平を床に当てるのと同時にステージの床を突き破って出現した、体長三メートル近い巨大な土人形のパンチも避けずにもらっている。 青が腕に纏わりつかせている氷の刃もばっちりその身で受けて―― 「何か、死人が出そうな勢いですね……客席は盛り上がってますけど……」 「何しろ時間がなくて。殺陣に関してはあまり詰められませんでしたからな。しかし緑……風を操る彼はどうにも弱いですな。名前も読めなくて困りました」 そんな会話の最中に戦闘員は全滅し、ガッハーもまたカンナギピンクの炎を受ける。 「うおおおおお! おのれカンナギレンジャー! この借りは必ず返すぞおお!」 捨て台詞の直後、怪人の着ぐるみが爆散する。ちょっとしたイリュージョニストでもなければ、無事では済まないだろう。 戦闘員たちも撤退し広くなったステージ中央に四人のレンジャーが集まる。そろそろショーも終わりか。いざ始まってみるとあっという間だ。 準備に相当時間と手間がかかったのに。 ピンクが叫ぶ。いや、叫んでいるのは役者の動きに合わせて声を当てている裏方か。 「この島の平和は、私たちが絶対に――」 「絶対に……何だって?」 スピーカー越しではないその声は、客席最後尾でも一応聞き取れた。続いてステージの右端で、巨大な白い光が膨れ上がる。 その中から出現したのは、二人の女性だった。 「Mr.enemy、白の大幹部、ミズキ」 見覚えのある顔だ。今茶色の仮面を被っているアリスと犬猿の仲だった、二年生の女子。ホットパンツにノースリーブのジャケット。それにブーツ。 どれも白い、光沢のあるエナメル生地だ。首には透明な水晶のネックレスを掛けていた。 「黒の大幹部……ヨシノ」 こちらもミズキと全く同じ格好だ。服の色が全て黒いことだけが、唯一にして決定的な違いだ。前髪を目で隠しているが、頬は既に真っ赤である。 あのボディライン丸見えの格好で人前に出るのだから、普通ああなるだろう。恐らくパッドを入れているのだろうが、胸部の膨らみも相当なものだ。 その癖両方華奢なので、グラビアアイドルのような見事な体形になっている。この場にいる男の大半は、目の保養だと思っていることだろう。 「小早川!」 明らかに動揺しているレンジャーの中で真っ先に動き出したのは、茶色、カンナギブラウンである。と、劇中にも関わらず、 アリスはマスクを勢いよく脱ぎ捨ててしまった。縦巻きロールの金髪が背中に流れていく。 「どうしてあなたがここに!?」 「体育の授業の出席日数足りねえんだよ。水泳の授業丸ごとさぼったせいで。これに参加して勝てば不問に付すって脚本のおっさんが言ったんで、出ることにした」 それを聞いた一戸は三滝に尋ねる 「そんな権限あるんですか?」 「この実験の結果次第かな」 実験。企画を指して言っているのだろうか? アリスの態度からして、大幹部なるキャラクター自体知らなかったようだが……この後の展開が読めない。 「まあいいわ。そろそろ貴方とも決着をつけたかったのよ」 アリスの声に反応し、ステージ後方で待機していたゴーレムがのろのろと動き出す。 「手加減はしなくてよ!」 長く太い腕を振り上げ、ゴーレムがミズキに拳を打ち下そうとした直前、ミズキの右手から白い光線が放たれていた。小さな頭部を跡形もなく消し飛ばされた土人形は、 糸が切れたようにその場に崩れ落ちた。 「夏のお天道様の下で俺に勝てると思って――」 (^ω^)「そいつはどうかな!」 マスクを突如剥ぎ取った緑が、大幹部二人に向けて両手を突き出す。その動作と同時に、強烈な突風が生じる。 「きゃあああ!」 ヨシノの悲鳴だ。前髪が風で浮き、意外な程整った素顔が一瞬だけ見えた。カンナギグリーンはごく小規模のかまいたちでも作ったらしく、 ミズキの上着の前が、刃物で切り付けられたかのようにすっぱり切断された。パッドが地面に落下し、ミズキの真っ白で平坦な胸が露わになる。 (^ω^)「大胆な格好しやがって。俺を誘っているのか?」 「――死ね」 さらに周囲が暗くなる。ほとんど夜のようだ。恐らくミズキの能力は、光を操る物らしい。先程の光線は、収束させた太陽光だろう。 ゴーレムに撃ったものとは比較にならない規模の光の奔流が彼女の手から放たれ、カンナギグリーンだけでなく、レンジャー全員を飲み込んでいた。後に残ったのは 半壊したステージと、ぼろぼろになった四人の正義の味方だけだ。さすがに客たちも恐ろしくなってきたのか、歓声より悲鳴の割合の方が大きい。 「三滝さん……どういうことですか……」 「さっきも言ったけど、殺陣に関しては基本的に役者たちのアドリブ任せだ。とりあえず観てる人たちが楽しめるように、派手にやれとだけ言っておいた」 「その前にどっちが勝つべきかを教えておいて下さいよ!」 客席を迂回しながら両手でTの字を作って、ステージ上の大幹部二人にタイムアウトを求める。が、一戸がステージの前に着くより先に、 高等部の制服姿の男子学生が一人乱入していた。半死半生のレンジャーたちを、次々ステージの下に投げ落している。 「監督。メンバーチェンジ」 長髪を後ろに束ねた三年生、愛宕が目ざとく客席脇の一戸を見つけると、そう言った。 「愛宕くん!?」 「時間が空いたんで観に来たんだ。あの二人をやっつければいいんだろう?」 一戸は無言で首を縦に振った。この場は彼に任せるしかない。 「あ?」 ジャケットを全開にしたままのミズキが、突如舞台上に上がってきた男に視線を向ける。 「何だアンタ」 「カンナギレッドだ。君たちは俺が倒す」 愛宕が右手を上空に掲げ指を鳴らすと、カラフルな炎の花が暗い空を彩った。花火か。客席も恐怖を忘れて湧いている。 ミズキが鼻で笑う。 「ま、別にいいけど。――おい、ヨシノだったか。手前も少しは働けよ」 無言で頷いた黒の大幹部が、その場にしゃがみ込み、自分の影に触れる。と、影が形を変え、漆黒の鎌になった。雰囲気に似合わず接近戦型か。 中々の敏捷性で、ヨシノは愛宕に接近する。目測を誤ったとしか思えない鎌の一撃が、愛宕の足元に直撃した。何をやっているんだ、彼女は。 「っつ……」 が、なぜか愛宕の胸には巨大な裂傷が走っている。影に刺さった鎌が、彼の身体にダメージを与えた、ということだろうか。 その愛宕の胸部の傷は瞬く間に火炎に覆われ、二、三秒で完全に癒えてしまう。さすがSランクだ。 「……面白い能力だね。初見の相手ならまず致命傷を受けるね」 「ヨシノ! 跳べ!」 声に反応して、ヨシノがステージから飛び降りる。叫んだミズキは、愛宕に向けた手の平から巨大なレーザーを発射していた。軌道が数秒目に焼き付く程の出力。 一瞬で愛宕の力量を察したらしい。容赦のない攻撃だ。 舌打ちを洩らしたのはミズキだ。手応えがなかったらしい。 「……女の子に手を上げるのは嫌なんだけど、芝居の進行上仕方ないな」 微動だにしない無傷の愛宕が白と黒の美少女を交互に見たその時。 「――もういい。ミズキ、ヨシノ。下がれ」 聞き覚えのある声だった。 「キョウヤ様……」 不安げにしているヨシノが口にしたその名前に、一戸は凍りついた。まさか―― 「――我が出る」 ステージ奥の扉から漆黒のマントを靡かせながら登場したのは、黒い甲冑に身を包んだ長身の男だ。腰には鞘に入った西洋剣を差している。左右に一本ずつ。 二刀流などやるのだろうか。武器すらまともに使わないあの男が。最も隠してほしい顔は丸見えなのは、補佐である自分に対する嫌がらせなのかもしれない。 「Mr.enemy首領――極々原強也」 「ご丁寧にフルネームまで……」 生徒会副会長、一戸遥は、がっくりと近くのベンチに腰を落とした。何をやっているんだあの男は。模範となるべき生徒会長が、こともあろうに悪の元締めを熱演している。 我らがリーダーは今日からちびっこたちの敵として認知されるのか。目の前が暗くなっているのは、ミズキのせいだけではないだろう。 「かっこいい……」 すぐそばで観劇していた女の子の声である。人形のような可愛らしさだ。何がこの子の心の琴線に触れたのか判らないが、あの会長に女性ファンが生まれたらしい。 「何言ってんだよ白井!」 女の子のすぐそばに座っていた男の子が、ぷんすか怒っている。外で遊ぶのが好きなのだろうか。真黒に日焼けしているつんつん頭だ。いかにも活発そうで、かつ正義感が強そうだ。 「あいつ悪者だぜ! 男があんな奴に憧れんなよ!」 男の子だったのか。 「でも僕、日野君みたいに運動できないし――」 巨大な踏み切り音が、子供たちの会話を断ち切った。ステージの床を陥没させながら跳躍したキョウヤが、 愛宕の胸の中心を手刀で貫いていたのだ。愛宕の身体が再度炎に包まれる。 「すげー! 今の速すぎて見えなかった!」 悪者だとか罵りつつも、日野少年はキョウヤの攻撃に素直には感心している。この少年がアクターなら強くなりそうだ。 「熱くないのか?」 燃え盛る胸に手を突っ込んだまま、キョウヤが返す。 「熱いさ」 異常な速度のバックステップで距離を取った後、キョウヤが観衆と一体化しつつある大幹部二人に呼びかけた。 「ミズキ、ヨシノ。例の結晶体は持ってるな」 「ここに……」 「一応な」 美少女二人が胸のネックレスを手に取る。 「ここからが本番だ。お前たちの力を借りるぞ」 大幹部二人が、ネックレスと強く握って瞑想を始める。それを見たキョウヤは左右の腰に下げていた剣の柄を握り、鞘から抜き放った。 「あれ……?」 白井少年が可愛らしい動きで首を傾げる。キョウヤの剣には刀身が存在しなかった。柄だけだ。 「仕掛けてこないのか」 首領がカンナギレッドに問う。 「基本的に専守防衛だから、俺」 「余裕だな――だが」 突如、白く輝く刀身が首領の右手に握られた剣に現れていた。数秒遅れて、左手に闇を凝縮させたような黒い刀身が出現する。 ミズキとヨシノは、まだネックレスを握り締めている。それを見た一戸は、ある話を思い出した。 「あれは……」 もしや能力や思念に反応するという、何とかという名前の結晶体だろうか。実用化の段階には程遠いというのがもっぱらの噂だったのに。 後ろを振り返る。満足げな表情の中年研究員がいた。三滝が試したがっていたのは恐らくこれだ。 「光と闇……彼女たちの能力に呼応しているのか」 愛宕が呑気に尋ねる。 「ご明察。ミズキのシャルナ・ハトゥマに、ヨシノのシャドウ・デスサイズ」 キョウヤが白と黒の剣を重ね合わせると、柄ごと融合したらしく、白と黒に明滅を繰り返す、一本の剣に姿を変えた。 「おおー! ビームサーベルだ!」 子供は無邪気だ。日野と呼ばれた少年が大声で叫んでいる。舞台上の生徒会長が、剣を構えながら愛宕に言う。 「この剣の力を試すのが、今日の企画の趣旨なわけだが……」 「試し切りなら、お好きなように」 「恩に着る」 キョウヤが跳んだ。一戸に辛うじて見えたのは、愛宕とすれ違いざまに振るわれたキョウヤの剣。そこから放たれた白光と暗黒が、視界を塗りつぶす光景だけだった。 一週間後、一戸は再びSランクの教室を訪ねた。 「そういえば愛宕君、あの日は大学の授業はなかったの」 先日と同じようにノートを見ている愛宕は、残念そうに答える。 「ああ、教授が体調不良で休んでてね。三滝さんも暇なら顔を出してくれって言ってたから、君たちの劇を見に行ったんだ。結果は散々だったけどね」 花瓶の乗った生徒会長の机を見つめ、彼は続ける。 「あんな悪戯していいのかい?」 「いいのよ。全く……放っておくと余計なことしかしないんだから、あの男は」 三滝に頼まれて誰もやりたがらない悪役を引き受けたのだと、黒こげになった会長は誇らしげに言っていた。最初の怪人の中身も会長だったらしい。 あの中年研究員、知らないところで相当勝手なキャスティングをしていた。 「会長はどのくらいで退院できそうなの」 「もう三日も寝てれば戻ってくるんじゃない」 「試作段階の道具ってのは本当に何が起こるか判らないんだね。バックファイアで会長以外に怪我人が出なかったのが幸いだったけど」 「天罰よ」 玖龍のレポートもどうなることやら。何しろ途中で気絶したのだ。肝心の部分が欠落した作文で、 最高難易度の講義をパスできるのだろうか。 まあ、関係ないか。 「ところであの剣、愛宕君に当たってたの」 「いや、直前で暴発した。命中してたら、こっちも無事じゃ済まなかっただろうね。相当の力を内包してたから」 「全くとんでもないものを振り回して、あの男は……あ」 忘れるところだったと、一戸は会長の机に一枚の手紙を放り込む。生徒会室に届けられた、会長宛てのファンレターだ。 名付け親の顔が見てみたくなるような不憫な名前が、封筒の裏に拙い字で記されている。 多分差出人は、会場で見かけた女の子のような顔をした男の子だろう。 「何だい、それ」 愛宕の質問に、一戸は力なく答える。 「ファンレターですよ。あんな役を演じてどうしてファンがついたのかは謎ですけど」 「カッコ良かったからね、あの時の会長」 「そうですか……?」 世の中にはいろんな好みの人間がいるものだ。そんなことを考えながら、一戸はSクラスを後にするのだった。 おわり
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したらば1スレ/(275)妄想 新体操部女子に復讐 女子高生 復讐 新体操 返り討ち その昔は16歳の女の子に目の前で師匠を再起不能にされた弟子たちが 3人がかりで復習を果たそうとして部活(新体操部)帰りの 彼女を襲撃するも 「弱い人に教えられた人はやっぱ弱いんだね~」 と愚弄されながら完膚無きまでに叩きのめされるシチュを妄想してた覚えが ちなみに女の子のモデルは当時好きだっと子 汚してごめん
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リボーンズガンダム&リボーンズキャノン 出典:【機動戦士ガンダムダブルオー】 所属:イノベイター、アロウズ(それぞれDC側) 形式番号:CB-0000G/C 全長:23.3(Rガンダム)21.8(Rキャノン) 重量:79.1t 盾:○ (GNビームシールド)変形と換装は特殊(手動)抜刀:Rガンダムだけ○ 連ジコスト:375(非常に高い)連ジ耐久力:640 連ザコスト:590(☆×4.5)連ザ耐久力:830 GvsGコスト:3000 特殊能力:GNツインドライブ、トランザムシステム 装甲材質:フェイズシフト装甲+ラミネート装甲 DP:リボンズ・アルマーク ディアクティブモードの画像は募集中です。 ■射撃 メイン射撃【GNバスターライフル】 弾数:9 リロード:1発につき4秒 ダメージ:120 メインCS【GNバスターライフル(極太照射)】 チャージ:2.8秒 ダメージ:110×3=330 ウイングガンダムのバスターライフル、ウイングガンダムゼロとガンダムエアマスター・バーストのツインバスターライフル以上の高パワー。 マルチCS【一斉射撃】 チャージ:2.8秒 ダメージ:???? バスターライフルとフィンファングの13ヵ所一斉に照射する。 まるでストライクフリーダムガンダムの一斉射撃のようだ。 サブ射撃【GNフィンファング(4基ずつ単発分離・射撃)】 弾数:48(32) リロード:4発(2発)につき2.1秒(オート)ダメージ:1発につき大型は60、小型は50 Rガンダムの時だけ使える。 盾の小型4基を含めて最高12基まで分離可能。(盾がなければ背中の大型4基とリアスカートの4基、合計8基に減らされる。) Rキャノンだったら大型ファングの分離はせず、4ヶ所同時発射になる。 特殊射撃【GNフィンファング(12基一斉に分離・射撃)】 弾数:サブの弾12発(8発)分消費 Rキャノンだと分離中はRガンダムと同じく、ドラグーンビームを叩き込む。 特殊格闘【GNフィンファング(12基一斉に分離・格闘)】 弾数:サブの弾12(8)発分消費 ダメージ:1発につき小型は60、大型は70 フィンファングからサーベルを発生し、串刺しにする。 サブ格闘【エグナーウィップ】 弾数:2 リロード:特殊(戻るまで)ダメージ:120以上 Rガンダムはアンカーから撃つ。Rキャノンは両腕にあるマニピュレーターから射出する。ヒット後はボタン連打で感電する時間を延ばし、威力を上げられる。 ■格闘【大型GNビームサーベル(Rガンダム時)、エグナーウィップ内臓クロー型マニピュレーター(Rキャノン時)】※格闘体制に入ると、背中からドデカサーベルを取り出す。二刀流と連結の2タイプある。二刀流はZZ(ダブルゼータ)ガンダム風にアレンジした。 ↓↓↓・・・Rガンダムの場合 Nメイン格闘【裂袈斬り】 ダメージ:100×4=400 前メイン格闘【突き→縦斬り】 ダメージ:150+100+100=350 横メイン格闘【水平斬り→逆水平斬り】 ダメージ:100×3=300 後メイン格闘【かかと落とし→Xの字斬り】 ダメージ:80+80+150=310 BD格闘【切り上げ→斬りつけ→回し蹴り】 ダメージ:100+100+80=280 ↑↑↑・・・Rガンダムの場合 ↓↓↓・・・Rキャノンの場合 Nメイン格闘【パンチ→キック】 ダメージ:70+70+80+80=300 前メイン格闘【タックル2発】 ダメージ:90+90=180 横メイン格闘【フック→回し蹴り】 ダメージ:70+70+80+80=300 後メイン格闘【アッパー2発】 ダメージ:70+70=140 ↑↑↑・・・Rキャノンの場合 ■特殊行動能力【変形】 Rガンダム←→Rキャノンへ変形する。 基本戦術 具体的には おすすめアシストパートナー おすすめ精神コマンド タッグと組むなら CPUとボス攻略 更新情報 2009・6・9 新設。 2009・6・10 不適切な表現、間違った日本語を削除修正。いい加減、何でもかんでも「強化型」つけたり、無意味にⅡ、Ⅲをつけたりするのはは辞めて欲しいものだ。 2012・5・5 手抜き無用で、新システム使用で微妙におかしい所の補修を受ける。
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修正しといた -- (顔文字) 2010-02-17 18 54 33
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後、管理人s俺は「炎神豹レオン」でいつもプレイしてるからw俺は「たんしお」より強いが…前に勝ったし…編集頼む! -- (カラス=炎神豹レオン) 2010-02-12 18 35 29